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厚生年金の支払額と受給額を会社員とフリーランスで比較計算したら驚愕した

どうも、あかつきです。

7月からフリーランスになったので、お金の計算をすることが多くなりました。

節税のためや、老後の資金についていろいろ調べていた時に、そういえば厚生年金ではなくなったから、老後やばいんじゃないかと思って、年金の受給額の目安をざっくりですが計算してみましたが、驚愕の事実がわかりました。

これをみたらみなさんも驚愕すること間違いなしです!

年金制度とは

高齢者の方が毎月暮らしていけるように、年金という形で国から報酬としてお金をもらっています。
仕事を定年退職したお父さんお母さんであれば、年金をもらっていると思います。
私の親ももらっています。

このように、高齢者は働けなくなる年齢になると、国から年金を受給して生活します。
そのための資金はどこから出ているのかというと、毎月みなさんの給料の中から強制的に引かれている、厚生年金の金額で賄っています。

日本は昔からこのような制度を行なっており、若い世代が年金として国にお金を納めて、高齢者はそれで老後の生活を行なっています。

自分が老後になった時も、その時の若い世代に支えられて、年金を受給して生活します。

最近は、少子高齢化社会なので、このシステムは破綻していると、いろいろ言われていますが、制度としてはこのようになっています。

受給額の目安

年金制度の概要がわかったところで、そろそろ本題に入っていきましょう。

今は65歳以上になると、年金がもらえるようになっています(昔は60歳から)が、一体毎月どれぐらいお金を国からもらえるのか、大体の目安を確認します。

国民年金

40年間の全額納付で以下の金額を受給できるようになります。

年間受給額月受給額
78万円6.5万円

厚生年金

平成15年3月まで(賞与は含めない)

加入期間
平均給与1年5年10年15年20年25年30年35年40年
10万円149131721263034
20万円2917263443516068
30万円313263851647790103
40万円31734516886103120137
50万円421436486107128150171
60万円5265177103128154180205

(単位: 万円)

平成15年4月以降(賞与含む)

加入期間
平均給与1年5年10年15年20年25年30年35年40年
10万円137101316202326
20万円1713202633394653
30万円21020303949596979
40万円313263953667992105
50万円3163349668299115132
60万円42039597999118138158

(単位: 万円)

計算(シミュレーション)してみた

社会の大多数を占めるであろう、一般会社員のよくある年収に近い形の条件で、シミュレーションしたいと思います。
公務員や大手民間企業ではなく、中小企業よりのシミュレーションになります。

会社員と自営業/フリーランスとの比較もします。

※ざっくり計算なので大体の目安として見てください。

条件

  • 働く期間は20歳から60歳まで
  • 会社員は年収450万固定
  • 自営業は年収1000万固定
  • 自営業は35歳からとする
  • 毎月の生活費は20万固定(60歳以降の生活費も)
  • 会社員の年収は賞与を含む計算とする
  • 年金受給期間は65歳から20年間の85歳までとする

会社員

厚生年金のトータル納付額の計算

20歳〜60歳まで支払う厚生年金の金額を計算します。

計算式

標準報酬額x18.3%÷2=給料から天引きされる厚生年金額

標準報酬額を求めるために月給平均がいくらなのかを算出します。

450万円 ÷ 12ヶ月 = 37.5万円

標準報酬額は38万円となります。

上記の値をはめて計算すると毎月の厚生年金で天引きされる金額が出ます。

※会社が半分出してくれているので、自分の負担額は9.15%です。

38万円 x 18.3% ÷ 2 = 34770円

毎月の金額がわかったので12ヶ月をかけて、年間の支払い額を出します。

34770円 x 12ヶ月 = 約41.7万円

40年続くことになるので、41.7万円に40年をかけます。

41.7万円 x 40年 = 1668万円

平均年収450万円の人の、厚生年金に支払うトータル金額は

1668万円

改めて見るとすごく払ってますね。

これメモっておいてくださいね。後で使いますので。

では、次の計算にいきましょう。

受給金額計算

今度は国民年金と厚生年金を合わせて、年間どれだけ年金が受給できるのかを計算します。

国民年金は40年、全額納付済みであれば、年間78万円もらえることが決まっています。

厚生年金は以下の計算式に基づいて年間の受給額を算出できます。

年収x加入期間x0.005184=年間受給額

計算するとこうなります。

450万円 x 40年 x 0.005184 = 約93万円

国民年金: 78万円

厚生年金: 93万円

78万円 + 93万円 = 171万円

年間に受給できる年金の金額は

171万円

これを12で割れば、毎月のもらえる金額になります。

171万円 ÷ 12ヶ月 = 約14.2万円

すごく少ないですね。かなりやばそう・・・

65歳から85歳までの20年でいくらもらえるのかはこちら

171万円 x 20年 = 3420万円

85歳まで生きれば以下の金額がもらえます

3420万円

こちらもメモっておきましょう。

生活費の計算

条件で提示していますが、毎月の生活費は20万円の固定としています。

本来は、毎月の生活費は変動するので、20万円固定はおかしいのですが、東京で一人暮らしならこれぐらいかな(自分の経験)ってのと、計算しやすいために、このようにしています。

では、計算していきます。

20万円 x 12ヶ月 = 240万円

240万円 x 25年 = 6000万円

60歳から85歳までにかかる生活費は

6000万円

こちらもメモっておきましょう。

貯蓄額の計算

貯蓄額も本来はありえないのですが、生活費にかかるお金以外は全額貯蓄する計算でいきます。

額面450万円 – 社会保険等 = 手取り約30万円

30万円 x 12ヶ月 = 手取り年収360万円

手取り360万円 – 生活費240万円 = 120万円

毎年貯金できる金額は

120万円

働けるのは20歳から60歳までなので

120万円 x 40年 = 4800万円

※年金がもらえるまでに5年間は収入がないので、生活費を切り崩さなければいけませんが、生活費の計算のところで、5年分の生活費も含んで計算してるので、ここには含めません。

なので、貯蓄金額は

4800万円

これもメモっておきます。

シミュレーション結果の計算

これらの収入と出費を計算します。

  • 掛け金
  • 年金受給額
  • 生活費
  • 貯蓄額

掛け金: 1668万円

年金受給額: 3420万円

生活費: 6000万円

貯蓄額: 4800万円

出費

掛け金(1668万円) + 生活費(6000万円) = 7668万円

収入

年金受給額(3420万円) + 貯蓄額(4800万円) = 8220万円

85歳まで生きるとどのような結果になるかというと・・・

8220万円 – 7668万円 = 552万円

これが85歳まで生きた時に残る金額になります。

552万円

残るお金を全て貯金に回したとしても、コレだけしか残らないのかと思うと、悲しくなってきますね。

生涯平均年収が450万だと、相当厳しそうですね。

自営業/フリーランス

厚生年金のトータル納付額

会社員で厚生年金に加入している期間は20歳から34歳までの15年間となります。

35歳からは自営業として活動しますので、15年分の計算をします。

会社員の計算と同じく年収450万円の計算でいきます。

34770円 x 12ヶ月 = 約41.7万円

15年続くことになるので

41.7万円 x 15年 = 約625.5万円

625.5万円の掛け金となります。

35歳からは国民年金に切り替わるので、残りの25年間を約16500円支払います。

16500円 x 12ヶ月 x 25年 =495万円

495万円 + 625.5万円 = 1120.5万円

1120.5万円

メモっておいてください。

受給金額の計算

こちらも会社員と同じで、国民年金は満額の78万円として、厚生年金の年数が異なるだけとなります。

計算するとこうなります。

450万円 x 15年 x 0.005184 = 約35万円

国民年金: 78万円

厚生年金: 35万円

78万円 + 35万円 = 113万円

年間ではこれだけもらえることになります。

113万円

これを12で割れば、毎月のもらえる金額になります。

113万円 ÷ 12ヶ月 = 約9.4万円

65歳から85歳までの20年でいくらもらえるのかはこちら

113万円 x 20年 = 2260万円

85歳まで生きれば以下の金額がもらえます。

2260万円

こちらもメモっておきましょう。

生活費の計算

こちらも会社員と同じで20万円での計算とします。

20万円 x 12ヶ月 = 240万円

240万円 x 25年 = 6000万円

会社員と同じ金額の

6000万円

メモっておきましょう。

貯蓄額の計算

フリーランスで年収1000万円の場合、国民年金や健康保険で引かれる金額を考えると、大体250万円ぐらい引かれます。

手取りでは750万円程になるので、そこから生活費を引いた金額が貯蓄額となります。

750万円 – 240万円 = 510万円

年間の貯蓄額は

510万円

会社員時代の貯蓄額とフリーランス時代の貯蓄額を足します。

120万円 x 15年 + 510万円 x 25年 = 1億4550万円

1億4550万円

メモっておいてください。

シミュレーション結果の計算

これらの収入と出費を計算します。

  • 掛け金
  • 年金受給額
  • 生活費
  • 貯蓄額

掛け金: 1120.5万円

年金受給額: 2260万円

生活費: 6000万円

貯蓄額: 1億4550万円

出費

掛け金(1120.5万円) + 生活費(6000万円) = 7120.5万円

収入

年金受給額(2260万円) + 貯蓄額(1億4550万円) = 1億6810万円

85歳まで生きるとどのような結果になるかというと・・・

1億6810万円 – 7120.5万円 = 9689.5万円

約1億円

残ることがわかりました。

これぐらい残ればかなり上出来かと思います。
もちろんこちらも全額貯金した場合なので、実際の残る金額はもっと少なくなるはずです。

自営業の場合は、小規模共済やideco(確定拠出年金)などもうまく利用して、節税しつつも、老後に退職金としてかなりの金額をもらうことも可能です。

シミュレートの結果について

会社員: 約550万円

自営業/フリーランス: 約1億円

既に他のサイトなどでも計算されているので、ある程度は理解していると思いますが、改めて計算してみると、酷いことがわかりますね。

貯蓄なしで比べてみても、600万程会社員が多いレベルです。

会社員のほうが月に2万円多くもらえる計算になりますが、25年での計算なので、そこまで差を感じません。

掛け金がプラスになる年数は?

掛け金は何年受給できればプラスになるのか?という問題ですが…

約10年

年間で170万円前後の受給のため、会社員だと65歳から受給されはじめて、約10年受給できると1700万円となり、掛け金の1668万円を上回りプラスとなります。

会社員でも自営業/フリーランスでも、かなりの貯蓄をしておかないと、悲惨な老後しか待っていないことが約束されていることがわかりましたね。

まとめ

国の年金制度ということなので、どれぐらいいいものかと思っていましたが、これだけで老後が補えるような代物ではないことがわかりました。

これがさらに受給開始年齢が70歳や75歳にされ、受け取れる金額も少なくなると言われているので、そりゃあ文句の1つや2つや10個も出るってもんです。

ほとんど掛け捨てと同じですからね。
これが強制的に給料から天引きというのが、とても信じられません。

制度と言うからには、老後はこれだけで暮らせるぐらいのシステムでないと意味がない気がしますね。
結局自分で貯金しておかないと暮らせないのなら、はじめから自分で貯金しますって感じです。

老後の夫婦2人が生活にかかる金額は大体24万円程度と言われています。

夫婦2人が生涯平均年収450万円であれば、約28万円もらえることになるので、貯蓄がなかったとしてもギリギリ生活できることになります。

しかし、生涯平均年収が450万円を下回る場合は、生活するのは厳しいと思います。

自営業/フリーランスになれば年収が必ず上がるとは限らないですが、会社員で450万円を下回っていても駄目なので、今後のことをよく考えて若いうちから、早め早めに動いていったほうがよいと考えます。

私もフリーランスになって年収はかなり上がりましたが、いつまでこれが続くかもわからないので、貯められるうちに貯めておこうと思っています。